心酔!聴かずに死ねないニューヨークパンクの名盤8枚 スーサイドを忘れたついでに書いてみた
コーハマです。
前回のエントリーでたくさんの人がパンクを愛していることがわかりとても嬉しいかったです。
しかしながら、ブックマークコメントより
karatte さん
テレヴィジョンやディーヴォがあるのは嬉しい限りだが、スーサイドとノイ!もどこかに滑り込ませたいなあ。最後がリバティーンズなのは評価する。ミック・ジョーンズのプロデュースだ
そうだ!スーサイドの存在を忘れていた!
ということで追加
Suicide 『Suicide』
これは一言でいうと”サスペンス”。
「ディンディン」と不穏なシンセサイザーの音が延々と鳴る中、歌というよりも呪文のような声が信号のように置かれていく。
機械だからグルーブがなく、それゆえず〜っと聴いてるとふと音が鳴っていることを忘れてしまうのだが、そこへ鶏を締め上げたようなシャウトがディレイをまとって切り込んでくる。これが怖い。
ちなみにスーサイドの影響が色濃く出ているバンドは実は”ゆらゆら帝国”じゃないかな。
ゆらゆら帝国が好きな人は多いと思うが、割と出所というか何に影響受けたかわかりやすいバンドで、Blue CheerやT-REX、Velvet Undergroundなんかの色は顕著に出ている。
けどそれでもゆらゆら帝国を難解なものにしているのはそれらの間にスーサイドから影響を受けた曲が挟まっているからだと思う。
「誰だっけ」「3×3×3」みたいに反復、隙間、息づかいが基調となるようなより理解に時間を要する趣向の曲にはスーサイドの陰がちらついていて、マニアックな雰囲気を助長しているように感じるのだ。
ゆら帝好きには是非オススメしたい。
Richard Hell & The Voidoids 『Blank Generation』
名前に「地獄」が入る人なんて日本だったらワイドショーで取り上げられちゃいますね。教育委員会も黙っていない!
そんな彼が与える”悪影響”を受けまくったのがイギリスで、後のピストルズのモチーフ的存在となった。みんなが欲しがった悪道 リチャード・ヘル兄さん。
淵がピンクのジャケットの方が有名だけどこっちの顔の方が面白いのでこちらにした。
New York Dolls 『New York Dolls』
オカマ
そんだけ
Lou Reed 『Berlin』
「Berlin」歌い出しは史上最高だと思う。
メロディを極端にボカして語るように歌うのが彼のスタイルなのだが、その分普通のロックみたいな曲調に乗せると冗長で弱々しい感じがして、ゴリゴリのパンクを欲していた僕からしたら「ちゃんとせえ!」と一括したくなる思いだった。
けど「Berlin」の、揺れのあるピアノの音の隙間でそっと囁くのを聴いて鳥肌が立ったのを覚えている。
ちなみにこんな語り調のボソッとした歌い方のくせにジェームズ・ヘットフィールドとかルチアーノ・パバロッティ(!)とかと並んで歌うことがしばしばあったので声の落差にビックリして心臓に悪い。
Talking Heads 『Remain In Light』
見よ!このジャケット!
持ってるだけでクラスのカワイイ系女子のグループから無視されてしまいそうなくらいアートでマニアック。
しかも、たまにエイドリアン・ブリューも入ってきたりするのでカワイイ系女子からは生理的に受け付けられないことうけあい!
けど後進のバンドへの影響の色味は強く、特に2000年代のバンドの元ネタはすべてトーキンヘッズに集約されているんじゃないかと思うくらい。
↓からは一気に2000年代へ
The Rapture 『Out of the Races & Onto the Trucks』
僕が最もリスペクトするバンド!
The Raptureと言えば「ECHOES」だろう、と言う人がほとんどだと思うがパンクという意味においてはこちらの方が純度が高い!
まだサックスとカウベル導入前のプリミティブな時代。
LIARS 『they threw us all in a trench & stuck a moment on top』
音がショボいと侮るなかれ!
2000年代初頭の倒錯したパンクの音がしていて、The Raptureと並べて是非聴いてほしい。
この後、よりディープなノイズミュージックへ傾倒していくことに。
LCD Soundsystem 『LCD Soundsystem』
DFAレコーズの首謀者=ジェームス・マーフィーのプロジェクト。
曲調がパンクじゃなくてもどこかパンクを感じるバンドには”いいとこの子”には出せない独特なショボさが内包されていてグッド。
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