リーマンショック世代の思わず抱きしめたくなるブログ

元バンドマン 文系 27歳 転職3回 どうにもならないなりにやってみる日々

矢沢永吉「成りあがり」を読んでみたら悩める社会人にめちゃめちゃ効くビジネス本だった

 前回のエントリーで矢沢永吉のコンサートに行くことになった話(↓)を書いたんだけど今回はその続き。

矢沢永吉のコンサートに初めて行くのだが何を準備すればいいんだろう?

 

その予習として矢沢永吉の『成りあがり』を読んでみたら心にグッと来る名作だった。

 

成りあがり―矢沢永吉激論集 (角川文庫 緑 483-1)

成りあがり―矢沢永吉激論集 (角川文庫 緑 483-1)

 

 

 

ざっくり解説と感じたこと

広島で育った矢沢永吉が上京してキャロルとして世に出てから解散、ソロデビューした時期までの軌跡を追った話。

貧しい家庭に生まれた矢沢少年は憂き目に遭う中で「金持ちになる」と強く意識して育つ。青年時代は不良として過ごすもミュージシャンを志す。

上京するため最終の汽車で広島を離れたはずが「リバプールみたいだから」という理由で横浜で降り、アルバイトをしながらキャロルの前進となるバンドを組んで活動。

後にメンバーとの別れや出会いを重ねるなかでキャロルを結成、一躍カリスマ的人気を博してメジャーデビューを果たす。

その後、3年でバンドを解散してソロデビューをして活躍の場を広げて行き、現在の矢沢永吉に繋がるというもの。

矢沢永吉が28歳の時に上梓された話である。

 

当時の超売れっ子コピーライター・糸井重里が単独インタビューしたものをテープ起こしして編集されており、内容が全編語り口調で書かれている。

 

 

感想と言うかまずわかったのは、この本は紛うことなき「ビジネス書」だと言うこと。

多分この書かれ方は既出なのかもしれないけど、何も知らずに読んだ僕の感想としてまず浮かんだのが上記のことだった。

 

この本では特に重要だと感じたのが

  • 理想を持つこと
  • 自活して生きること

の2つだ。

 

常に客観的に自分を見ている

矢沢永吉が自分を「矢沢」と呼称する意味がやっとわかった。

というのは彼は自分を常に客観的に見ていて、どうすれば自分が商品として売れるのか、どう自分をプロデュースすれば世の中の人の注意が引けるのかということが書かれた箇所が随所に出てくる。

自分の理想とする”矢沢永吉”というのが前提としてあって、目指す姿に対してどう近づくかという点にフォーカスされているのだ。

 

それと面白いのが、他のミュージシャンの固有名詞がそこまで出てこないこと。

よくアーティストの話となると影響を受けたバンドとかミュージシャンの名前がこれ見よがしに鏤められていたりするが、「成りあがり」ではそれがあまりない。

比較対象が自分以外のところにないのだ。

 

あくまでも自分の描いた理想に視点が行動の発起点となっているところがプロだと感じた。

フムフムフムっと歌が出てくるから、録音してね。

「よし、 一千万! 終了」って感じ。

一千万の価値観を持ってるって言いたい。大事にしたいんだ。

音楽性から契約・金銭的なマネジメントまで自分で行ってきたが故に持てる感覚なんだろうね。

 

まずは自分でメシを食う

戦いの前提は負い目がないこと

自分の手でメシを食って 誇りを持つこと 

この一節はとても破壊力があって胸に突き刺さった。

”負い目”、”落とし前”という言葉が本書でよく出てくるが、それは常に自分が理想を叶えるための絶対条件だからだと思う。

 

矢沢の原点は幼少期に味わった「貧乏」であって、だからこそまず一人の人間として”自活”して生きること。

それから自分の理想とする姿に全力で向かっていく、という非常にシンプルな構造の本なのだ。

ちなみに矢沢ファンの僕の義母もこのフレーズが好きで自前の本に赤線を引いているという。

 

それに広島から出てきて身寄りのない矢沢にとって自活するしか道はなく、だからこそハングリーさの面で他のメンバーと大きな差があったのだとも書かれている。

 

一人の人として自活するって社会人としては当たり前のことかもしれないけど案外出来ていない部分もあったりする。

すべてを自分で引き受けられるように自活できる人はそれだけ自分の身の回りの物事に対するオーナーシップが強いんだろうな。

 

ミュージシャンじゃなくても矢沢は矢沢だったはず

「成りあがり」という字面が連想させる根性物語や一攫千金の話とは明らかに一線を画している。  

基本的にスタンスが真面目なのだ。

言い回しこそぶっきらぼうではあれ、内容はめちゃくちゃ真面目。

 

アーティストの物語なので、やっぱりある種の浮世離れした感覚というか一般人と違った視点というのがクローズアップされてるもんだと思ったし、恐らく”ファン”として読んだ人の中にもこうした期待をして手に取った人は多いはず。

 そういう人からすると期待はずれかもしくは「なんだこれ?」という内容かもしれない。

矢沢自身もファッションで自分を追っかけているファンには少し否定的に書いていた。

 

キャロル時代のメンバーとの不和については、彼らに驕りがあった上に音楽に対して真摯で無かったこと。

レコード会社を離れたのはあまりにも金銭的に理不尽な契約を結ばされていることに早々に気づいていたから。

ということが書かれていたがそれほど矢沢自身がお金という尺度で常に自分の価値を計っていたことの証左だ。

逆にその感覚を「普通じゃない」と言った元メンバーの言葉が対比になっていて面白い。

 

あと意外だったのは矢沢がデール・カーネギーの「人を動かす」を読んでいたと言うこと。高校生の時、ディスコを経営している社長さんに貰ってから何度も繰り返し読んでるのだと。

『人を動かす』

本人も知らず知らず影響されている、的なことを書いていた。

ベタな名著の名前が出てちょっとビックリだったな。 

 

落ち着きのない怖そうなオジサンかと思ってたけど、矢沢永吉の見え方がこの本を読むことでゴロッと変わった。

悩める社会人(僕のこと?)にバッチリ”効く”内容!

ファンじゃない人にもオススメ!

 

じゃあね