大手新聞社の社員がTwitterのアカウントを作らない理由

Twitter始めました」の再燃

(※この記事には個人的な所感が含まれています)

 

Twitterを始める人が増えてる。

「ブランド人になれ」に触発され、フォロワー1000人を目指してアカウントを作る意識高いビジネスマンの存在によるものだろうか。

今までと違い個人にフォロワーが付く時代。フォロワーは資産として数々の恩恵を授けてくれるものとして大きな意味合いがあるものになっている。

サロン運営なども個人レベルでできるということでその可能性は広がるばかりだ。

僕自身もTwitterは長らく凍結状態にあったが、この波に触発される形でアカウントを再開することになった。

 

やってみると有名人や著名なビジネスマンからのファボが続々と付くので単なるツイートも楽しくなる。

はてなブログでシコシコ記事を書くにしても、ブックマーク待ちだった以前よりも拡散力があって面白みを感じやすくなった。

Twitterの活用について改めて考え直すここ数日を送っていた僕であった。

 

 

Twitterなんか面白くない

先日、大手新聞社勤務のAと話す機会があった。

Aは入社7年目のビジネス系職種の社員で、ある程度現場経験を踏んで中堅に片足を突っ込んだ人物である。

学生時代から情報感度が鋭く読み書きのリテラシーも高いAだったが、聞くとTwitterはやっていないと言う。

マスコミなんだから自分の気持ちや考えの発露を求めているだろうと思っていただけに、Aの回答は意外だった。

 

コーハマ「Aはさ、なんでTwitterやってないの?」

 

A「アカウント作ったことはあんだけどぶっちゃけ面白くないんだよね

 

コーハマ「えー、フォロワー増えたり有名人にリツイートされたら楽しいじゃん?」

 

A「うーん、そこがそもそもよくわからないし興味もない。てかそれ承認欲求満たしたいってだけでしょ?

 

コーハマ「うぅ、まぁそうかもしれないけど…Aはなんか伝えたいこととかないの?」

 

A「あるかどうかわからないし、コンプラとかうるさいからあんま考えたことないな。てかそんな伝えたいことある?」

 

コーハマ「…」

 

 

スケベ心で自走せよ

Aは世間で言う勝ち組だ。
恐らく30歳にして年収は1000万円に届くマスコミ社員で、社名を言えば誰からでも一目置かれるブランドの持ち主だ。転勤の心配もあるし仕事はしんどいが家族も居て充実した毎日を送っている。
件のAの承認欲求は相対的に言えば満たされている。

そんな彼がTwitterをやらないのは牙を抜かれて情報発信を諦めてる訳じゃなく、リスクと天秤にかけてまで発信したいメッセージが特別ないからだ。

 

Aの発言は明示的ではないが、非リアの渇望感を一蹴するものであった。(非リア側の被害妄想とも言えるが)


ただ、僕やその他多くのツイッタラーは承認欲求を満たす以外の目的で発信してるメッセージが果たしてあるだろうか?

承認欲求に自らを奮い起こし突き動かす何かがあるだろうか?

 

僕を含め多くのツイッタラーは満たされない寂しがり屋だ。

Twitterは、満たされない者にのみ与えられたエンジンを積んだバイクがファボのガソリンを食い散らしながら当て所なく瞬きもせずに駆け抜けるワンナイトカーニバルなのだ。

 

一見これは不健全で救いのない姿のようだが、見方を変えれば少しは夢のある話に変わる。

 

承認欲求を満たしたい

たくさんの人に「いいね」してもらいたい

有名人からファボられたい

 

この芯を食ったメッセージ不在の渇望感がバズになり、フォロワー増加につながり発信力が強化される…Twitterの面白さはそこにある。

つまりはメッセージなどなくても承認欲求からくる渇望、言ってみればスケベ心に任せたツイートがフォロワーを生み個人の存在感を大きくできる可能性があるということだ。

 

老いも若きも、Twitterを始める人が増えてる背景にはそれだけ承認欲求が満たされていない存在が多いことの証左に他ならない。

そんな彼らは恥じることなくスケベ心に任せてファボ狙いのツイートを連発するだけで人生がほんの少し良くなる可能性がある。

それはなにも不健全なことではない。

承認欲求をダイレクトに満たしやすい世の中なんて幸せじゃないか。

スケベ心に絡め取られ肥大したアカウントはいつしかブランドになり、個人の存在感そのものを変えられるのだ。

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

最後にAは最近の悩みを教えてくれた。

 

A「この歳になるとやっぱいろんなとこで"違い"って出てくるじゃん?使えるお金も違うし結婚してない人とかも多いし。あと、社名言うだけで色眼鏡で見られるし。だからSNSとかで子どもと遊んでる写真とか載せるとちょっと僻みっぽいコメント来たりさ。だから、もぉ何も載せない方が平和に暮らせるな、と思ってて、だからSNSの更新もやめようと思ってるんだ。」

 

乾いた喉を潤すために塩水を飲み続ける僕の傍で、潤いに満たされた結果溢れる水の流れる先心配をするAとのコントラストは承認欲求を巡る示唆に富んだ問いを提示している。(と勝手に僕は思っている。得てしてこういう心持ちは一方通行なのだ。)

 

イッタラーよ、泣くな笑え

スケベ心で自走せよ

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