ONE PIECE新刊発売! ”買っちゃう本屋さん”に学ぶ接近戦マーケティング

コーハマです。

 

僕は本屋さんが好きでほぼ毎日どこかしらの本屋さんに立ち寄ってます。

今日は本屋さんについて考えてみた。

 

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まるでバナナの叩き売り

昨日も仕事帰りに駅中にある大型の書店に立ち寄って「なんかいい本ないかな〜」と物色していた僕。

けど、あんまり欲しい本が見つからず15分ほどで店を出てそのまま電車に乗ろうとホームの方に歩いていたんですが、小さなテナントが立ち並ぶ駅中の通りを歩いているとこんな声が届いてきた。

 

「ほんじつ〜、ワンピース最新刊の〜発売日で〜す」

 

 

ふと見ると50平米くらいの小さな本屋の前でONE PIECEの最新刊を特設のブースを作って売っている女性の姿。

そして、隣にある棚には「これでもか!」ってくらい並べられた単行本の壁。

 

こりゃ凄い!まるでバナナの叩き売りだ!

 

思わず立ち止まった僕。

さっきの大型店では新刊が出てることなんか気づかなかった。

で、通りを歩く人が店を見るやいなやみんなONE PIECEを手にとってレジへ向かう。

10人に1人ぐらいの割合だろうか、とにかく多かった。

この光景を見て「この本屋は強いなぁ〜」と感心してしまった。

 

ONE PIECEは”AA”モデル

ONE PIECEって知ってる人は多いと思うけど、単行本の売れ方は尋常じゃないそうですね。聞くところによると単行本の発行部数が初版で400万部以上だったりするとのこと。

規格が違うのである。

広告業界の言葉でよく”AIDMA(アイドマ)”モデルなんてのが昔から言われていて、これは購買行動のプロセスにおける広告の働きかけを段階的に分け、それぞれの動詞の頭文字を取ったものである。

一応書いとくと

 

A  → Attention(注意を引きつける)

 I  → Interest(興味を持たせる)

D    → Desire(欲しいと思わせる)

M   → Memory(記憶させる)

A    → Action(行動を起こさせる)

 

というもの。

要するに、ある商品を人が「買っちゃおー」と思うまでには上記の流れが存在しているという話なんだけど、これを踏まえた上で先ほどの小ちゃな本屋でのONE PIECEの買われ方を見てみるとかなり特殊であることがわかると思う。

 

ONE PIECEの場合は

 ”気づく”→”買う”

もはやAA(Attention→Action)モデルなんですよね。

だから売り方として最適なのが店先に単行本の壁作って大声で「売ってまーす!」ってやる方法なんだろう。

 

ある種これはとっても大事な発想だと僕は思っていて、同じ本でも買われ方が違うということを理解して売っているということなのだ。

流通業に関しては目の前にお客がいるという接近戦になった時、やっぱり売り方が考えられている店は強いですね。売場面積は先に入った大型店の1/20ぐらいだと思うんだけど、ONE PIECEの売上は小さな店の方が1.5倍ぐらいあったんじゃないかと推測する。

 

僕は前からこの小さな本屋さんが好きだった。というのも、”出会い”がとても多い店なんですよね。小さいのに並べ方とか見せ方が徹底されていて「こんなんありまっせぇ」と語りかけられているような気持ちになるのだ。

よく売場を見てみるとロングセラーというのは少なくて、割と新刊が多くならぶように配置が考えられていることがわかる。通行量の多い通り沿いにある上、売場面積が狭いからターゲットは目的があって買い物する人じゃなくて通りすがりの衝動買い客狙いなんでしょうね。

 

そんなことも考えられてか商品の入れ替えが早く、1週開けて店に来てみると並んでいるラインナップがまったく違っている。割とマニアックなんだけど目につくようちゃんとポップなんかも貼られていて芸が細かい。

さすがです。

 

売場が小さいだけにマーケティングがなされた品揃えだし、その時々で何が売りたいかはっきりわかる店は買いやすいのである。

小売店みたいなプル型の営業は、基本的に良い商品を揃えて声出して売るっていう”八百屋モデル”に収斂されると思うんだけど、並べるだけで終わらないように日々頭と体を使って売場を作っているこの小さなお店に胸を打たれた次第である。

 

またぞろ偉そうなこと言ってしまった。

 

 

 

 

 

 

ちなみになんですが、僕はONE PIECEちゃんと読んだことないんです。

絵が細かくて目がチカチカするので…。

ONE PIECEファンの皆さん、ごめんね。

 

じゃあねー

ばいばーい